ホーム > クルーズニュース > 2022/6/30 上場する米系クルーズ企業 株価の続落傾向続く
米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している米系大手クルーズ企業の株価が、今春からの続落傾向に歯止めをかけられない状況が続いている。米系業界紙などによると、それに追い打ちをかけるように米大手証券会社が業界最大手カーニバルコーポレーションの目標株価を引き下げたことで、6月29日のクルーズ企業の株価は一層低迷した。
報道によると、米大手証券はカーニバルの今年と来年のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)予想を引き下げただけでなく、今後のクルーズの実勢販売価格と稼働率の低下、運航コスト上昇などにも言及しているという。さらに、同証券では「需要減を引き起こす大きなショックがあれば、株価がゼロになる可能性もある」と指摘し、回復途上にあるクルーズ業界に波紋を広げる懸念もある。
ロイヤルカリビアングループ(RCG)、ノルウェージャンクルーズラインホールディングス(NCLH)、そしてカーニバルコーポレーションというNYSEに上場している米系大手クルーズ企業3社は、2020年春に顕在化した新型コロナウイルス(COVID−19)の世界的な感染拡大を受けて、傘下オペレーター(運航船社)のクルーズ船運航を一斉に休止。これが大きく影響して3社の株価は一挙に値を下げた。その後、感染状況が落ち着き営業運航を再開し始めると、徐々に各社の株価は回復に向かった。
しかし、今年3月以降はロシアのウクライナ侵攻の影響を受けた原油価格上昇に代表される物価高と船員手配の遅れなどが重なり、下落傾向に歯止めがかからない状況に陥っていた。同証券の目標株価が示された6月29日のNYSEの終値は、カーニバル8.87ドル、RCG36.02ドル、NCLH11.57ドル。