ホーム > クルーズニュース > 2022/8/16 「コンコルディア」座礁事故から10年 欧州人権裁判所が元船長の上告棄却
海外紙に珍しいニュースが掲載されていた。今から10年前、現地時間2012年1月13日午後9時過ぎ、伊コスタクルーズが運航する「コスタコンコルディア」がイタリアのジリオ島沖で座礁・転覆事故を起こした。その事件で渦中の人となった元船長フランチェスコ・スケッティーノ氏の上告審について、フランス・ストラスブールの欧州人権裁判所はこれを棄却したという。元船長が主張する「権利と自由の侵害は認められない」と裁判所は上告棄却の理由を説明しているようだ。
同船の座礁・転覆事故は、乗客3276人・乗員1023人のうち31人の死亡が確認される大惨事となった。さらに、乗客らの避難誘導などを怠り被害を拡大させた一方、元船長は乗客らに交じって本船から退避するなどの行動が非難を浴びたことも記憶に新しい。過失致死傷、過失傷害、難破、運航船舶の放棄といった一連の責任を問われ、同船長は禁錮16年の有罪判決が伊最高裁で2017年5月に確定している。
元船長が人権裁判所に起こした訴えでは報道による人権侵害などを主張したというが、再調査した結果、「最終報告からは権利と自由の明らかな侵害は認められないと判断する」との判決を下した。