ホーム > クルーズニュース > 2022/10/19 CLIAまとめ 「排出ゼロへ政府のサポート必要」 2022年環境保全リポート
欧米大手クルーズ船社が加盟する国際業界団体、クルーズ・ライン・インターナショナル・アソシエーション(CLIA)は現地時間の10月18日、クルーズ業界が取り組んでいる環境保全に関するリポートの2022年版を公表した。CO2(二酸化炭素)排出ゼロに向けた船社の具体的な対応策とその進捗状況、新造船および既存船における環境保全関連機器の搭載動向などを紹介している。
同リポートによると、「今後数年間に竣工する新造クルーズ船の15%以上が燃料電池またはバッテリーを搭載する」と指摘。また、「CLIAメンバーが運航するフリートのうち85% は2028年までに陸側からの受電装置を搭載することで、停泊中にエンジンを切ることが可能となり、CO2などの排出量を大幅に削減できる」と説明する。
また、クリーンな船舶燃料として導入が進むLNG(液化天然ガス)について同リポートでは「新造船の61%がLNGを主燃料とし、粒子状物質 (PM) の排出量が95%から100%減少するほか、SOx(硫黄酸化物)排出量は事実上ゼロになり、NOx(窒素酸化物)の排出量も85%削減される」などとまとめている。
リポート公表に際して、CLIAグローバルのピエルフランチェスコ・バーゴ会長は「環境保全と関連技術開発の推進に関して、クルーズ業界は常に革新の最先端を進んでおり、今後もそうであり続けるだろう」とコメント。さらに、「CO2排出実質ゼロに向けた次の段階では、政府などの明確なサポートが求められ、陸上でも適切なインフラ整備と開発、必要な投資と技術革新を一層促進する必要がある」などと展望した。