ホーム > クルーズニュース > 2023/6/25 カナダ政府 クルーズ船の排水管理 自主から強制に
カナダ政府は現地時間の6月23日、環境基準強化の観点からクルーズ船の排水管理を自主的措置から強制的措置に即時移行すると発表した。米系海事業界紙が6月24日付け電子版で報じている。同紙によると、カナダ当局の排水規制はこれまで「基準や執行が緩いと批判されてきた。今回の新たな措置は国際海事機関(IMO)が定めた基準と一致、あるいはそれを超えていると強調した」と報じている。
新たな排水規制についてカナダ当局は、クルーズ観光がカナダ経済に貢献していることを認識した上で、「より持続可能な方法で確実に行う必要がある」などと述べ、カナダの水域と環境を保護する必要性を強調したという。また、強制規制への移行のタイミングについては、「カナダのクルーズ業界が繁忙期を迎えていることを受けて決めた」といい、アラスカクルーズの途上にカナダの沿岸海域を航行していることなどを考慮したものという。
新規制は、カナダの北極圏以南の海域に適用され、海岸から3海里以内の雑排水や処理済み下水の排出を禁止する。また、沖合3〜12海里における雑排水と処理済み下水に関する規制も強化した。カナダは今回の新規制に先立ち、北極圏海域にはより厳格な規制を導入済み。
カナダ海域を航行するクルーズ船に対して新規制に従うことを義務付けたことで、当局の検査も受ける場合もあるという。また、違反が判明したクルーズ船は処分を受ける可能性があり、「罰金は最大25万カナダドル(19万米ドル)になる」と警告している。