ホーム >  トピックス

トピックス
一般財団法人みなと総合研究財団

〒105-0001
東京都港区虎ノ門3丁目1番10号
第2虎の門電気ビルディング3・4階

TEL:03-5408-8291 FAX:03-5408-8741 地図・最寄り駅はこちらから

トピックス

「2025 ASIA CRUISE FORUM JEJU (ACFJ)」が開催されました。 


 2025年7月10日、11日韓国済州島で「2025アジアクルーズフォーラムJEJU(ACFJ)」が開催された。(主催:韓国海洋水産部(MOF)/済州特別自治道)
 1日目の基調テーマは、世界市場におけるアジアの「2035年までにシェアを8%から20%へ」と非常に積極的なテーマ。
 基調演説はCLIA欧州のExecutive DirectorのNikos Mertzanidis氏が務めた。彼はクルーズ業界プロパーではなく、医薬品業界から10年ほど前に転じた人である。CLIA発表のデータを紹介するかたちで、2023年の世界のクルーズ人口は32百万人に達し、160万人の雇用を支え、856億ドルのGDPに貢献しているが、アジア市場においてはコロナ禍以前のレベルへの復活はできていない。その大きな潜在力を具現化するうえで、ウェルネスや健康、持続可能で地域と共存できること、デジタルやAIの活用、そして文化的な啓発や人間的な成長といった大きな流れを踏まえ、世界の他の市場での経験を参考に、政府、港湾、船社ならびに旅行業をつなぐパートナーシップの重要性を訴えた。
 その後のセッションでは、東アジアの大手プレイヤーの経営者が各社の戦略を説明した。わが国からは、商船三井クルーズ社の向井社長が登壇、海運としての140年の社歴のうえに、来年後半までにフリート更新の道筋を示しグローバルプレイヤーに一歩を踏み出す方針を力説、会場の注目を集めた。
 残りのセッションでは、アジアにおけるクルーズの寄港地のあり方、持続可能な市場成長に向けた貢献をテーマに討議が行われた。また各セッション以外のワークショップでは、ジャパネットツーリズム 村田リーダーが日本人顧客の集客と経験価値向上の成功事例紹介をした。


写真:ACFJ 基調講演

 2日目には、アジアの政府および自治体機関、船社、ターミナル、各種団体、研究機関、など85団体が会員として参加する「クルーズリーダーズネットワーク(ACLN)」が開催された。
 今年もわが国から当財団と複数の地方港湾代表が参加したが、今年新たに中国初めての国営クルーズ会社Adora Cruises、フィリピン政府観光省などの加盟が承認された。
 アジアにおいてソースマーケット開発の必要性が指摘されて久しいが、中国を除き、いまだにインバウンド中心の市場となっている。しかし、一つの国のインバウンドはどこかの国のアウトバウンドであり、一つの国のアウトバウンドは別の国のインバウンドである。この相互性がアジアにおける今後のクルーズ産業発展のカギであることを再認識した。とりわけ、今回のフィリピン政府の参加やアジア太平洋におけるクルーズ産業の重心が少しずつ南西方向にシフトしていることを考え合わせるとその意味合いは大きい。そんな中、今回の会議ではパネル討論に福岡市港湾空港局の瀧本クルーズ誘致係長が登場し、日本の西のゲートポートとしてその施策や魅力を発信したことは特筆される。一連の会議の中でアジアの世界シェア20%という目標が示され、「ベストプラクティスの共有」というキーワードが繰り返し登場したが、達成に向けて国境を越えた連携はますます重要になると思われる。

(クルーズ総研副所長 山口 直彦)  

写真:ACLN

 同日(11日)、済州観光協会・韓国海洋観光学会・韓国クルーズフォーラム・日本クルーズ&フェリー学会の4団体が主催する「Korea-Japan Cruise Seminar」も開催された。
 セミナーテーマは「日韓クルーズ観光のソースマーケット開発戦略」。
 国立済州大学校−洪教授、アセア航空職業専門学校−劉教授、京畿大学校−沈教授、日本クルーズ&フェリー学会−伊東博士による学術の研究が発表された。
 その後パネルディスカッションでは、済州観光大学校−申教授のコーディネトにより、国立済州大学校−朴教授、大慶大学校−金教授、 培材大学校−尹教授、大阪大学−赤井教授、MSCクルーズ 区ディレクターがディスカッションした。
 今回のセミナーは、日本と韓国の学術者による初めてのクルーズ研究交流であったが、中国研究者より参加要請があり来年は3か国交流に発展しそうである。

(クルーズ総研 田中 三郎)